2012年5月11日金曜日

本郷・炭団坂に歴史を感じシャガの花を見る。

本郷は坂の多い街である。それはこの地が本郷台地にあるからだ。この本郷台地の中心を川が通り、流れと共に浸食され一段低くなっている場所がかの有名な本郷・菊坂だ。だから本郷・菊坂は本郷通りから白山通りに行くに従い、なだらかな坂道になっている。このなだらかな菊坂を目指して、春日通りの旧弓町から真砂図書館の前を通って向かうと勾配が急になる場所がある。本郷・炭団坂である。この坂の由来は炭団などの商う者が多く住んでいた所と急な坂で往来の人々が炭団のように転んだとの意味があるとか言う。明治の時代には坂上の東角の崖上に坪内逍遙が住んでいた。今はもちろん住居はないが文京区が設置した「坪内逍遙旧居後」の看板がある。逍遙後は「常盤会」という寄宿舎となり俳人正岡子規や河東碧梧桐も寄宿していた。文献によるとこの住居から崖下(坂下)を眺め酒を酌み交わしたとある。今、この旧居後から崖下を臨むと斜面に真っ白なシャガの花を認める事が出来る。菊坂は泥の坂からコンクリートの階段と変貌したが、斜面の木々や草は昔と変わらないと言う。きっとこれらの文人達もシャガの花を眺めながら時を過ごした筈である。きっとその時の酒は格別なものだったろう・・・。久しぶりに歴史を感じる瞬間を坂の上で過ごした。キレイだ・・・。

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