2010年6月24日木曜日
菊坂下道にそびえる煙突。
樋口一葉旧居の石段を上って路地を抜けると鐙坂に出る。左手に在るのが帝国大学卒業の言語学者、金田一京助・春彦氏の旧居だ。こんな狭い場所に文人・学人が沢山居たとは、やはり本郷は凄い!(そのほか後日紹介しますが宮沢賢治、坪内逍遥の旧居も近い)何か歴史を感じる鐙坂をゆっくりおりる。因にこの鐙坂を「鐙坂は御弓町より丸山へ下る坂をいひ、往古この処に武蔵鐙を製し初めしもの子孫ありて鐙を作るゆへ坂の名とすといへり」とある。鐙は馬の鞍の両側に下げて乗る者が足をかける馬具。こんなところで鐙を作っていたのかとちょっと感慨に耽る。ただもう一説には坂の形が鐙に似ているともあるので真偽の程は・・・。坂を下りてくるとどことなく懐かしい銭湯が登場する。『菊水湯』だ。菊水湯は現在では珍しくなった唐破風建築の銭湯。現在の建物は昭和初期に建築され、何と今でも地下水を汲み上げ薪で湯を沸かしている。お湯の優しさが魅力だ。夕方にこの銭湯の前の菊坂下道を通ると、はたして木桶の音か定かではないが「カラ〜ン」「コロ〜ン」と言う音と、子供の笑い声が聞こえてくる。やなり日本の、東京の下町は良いものである。
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