2010年6月23日水曜日

一葉御用達の伊勢屋質店。


菊坂下の井戸のある住居に住んでいた樋口一葉は明治26年に生活の立直しのため下谷竜泉寺町に移転して行く。移転前に「此夜さらに伊せ屋がもとにはしりて、あづけ置たるを出し、ふたたび売に出さんとするなど、いとあはただし」とある。移転後も終薦の地(西片)へ移ってもこの質屋とは緑は切れなかった様だ。死の前年の日記には「時は今まさに初夏也、衣がえも、なさではかなわず、ゆかたなど大方いせやが蔵にあり」とある。一葉の亡くなった時の香典帳に伊勢屋より「金壱円也」とある。伊勢屋の土蔵は一葉当時のままだが店部分は明治40年に改築した。因みに菊坂下の住居と伊勢屋は徒歩2分位で如何に近くて便利だったかが想像できる。年に1回、一葉の亡くなった11月23日の一葉忌に一般公開しているので興味のある方はお訪ね下さい。

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