2011年5月2日月曜日

しゃがの花咲く本郷・炭団坂を歩く。


本郷・文学散歩に必ず登場する「炭団坂」。この坂の由来は炭団などの商う者が多く住んでいた所と言う説と、急な坂で往来の人々が炭団のように転んだとのふたつの説がある。もちろん今はキレイに整地されご覧の様な立派な階段まで設けられている。実はこの坂上の東角の崖上に坪内逍遙が住んでいた。坪内逍遙は明治時代に活躍した日本の小説家、評論家、翻訳家、劇作家。代表作に『小説神髄』『当世書生気質』およびシェイクスピア全集の翻訳がある。それはそれは立派な文人なのです。この場所に坪内逍遙が住んだのは明治19年から明治20年と言われているが、逍遙が同じ町内に移転後、旧伊予藩主久松氏の育英事業として「常盤会」という寄宿舎となり、俳人・正岡子規は学生時代三年余ここに入り、やはり俳人の河東碧梧桐もここに寄宿したのだった。この説明の通り、この場所は如何に文学の匂いがプンプンするかがお解り頂けると思う。そんな坂の上で眼下を見るとしゃがの花が斜面一面に群生していた。なんでも常盤会時代には多くの文人がここに集まり酒盛りをしていたとも聞く。きっと彼らも逍遙もこのしゃがの花を見ながら飲んだ酒は格別だったと想像してしまう。このゴールデンウィーク中はまだしゃがの花があると思います。是非、本郷散歩を楽しんで下さい。

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