東京都文京区根津2-19-11
根津とうふ工房 須田
根津とうふ工房 須田
東京の下町を中心とした散歩情報です。
昨日の続きですよ。熱海・糸川の「あたみ桜」を見てから昭和の町並が残る熱海の町をゆっくり歩いていると「MONT BLANC」と言う洋菓子店を発見です。普通は洋菓子店の前を通ってもスルーなのですが、この時は店の佇まいなど、何処か惹かれるものがあり入店してしまいました。店の中はいろいろなケーキの入ったガラスウインドウが置かれテーブルスペースもあってここでケーキを食べられる様にもなっていました。心の中で「古いお店だけど、こぎれいで気持ちのよい店だな」と思わず呟きました。壁を見ると谷崎潤一郎のポートレートが飾られていて「モンブランのモカロールが大のお気に入りで著作活動後は必ず注文がありました(昭和30年3月熱海の別荘で)」と言うキャプションがありました。そしてその左には、何と写真家のロバート・キャパの撮影したモノクロのスナップが飾られています。説明ボードには「世界的に有名な報道写真家のロバート・キャパは1954年(昭和29年)4月訪日しました。昭和29年4月15日、和服姿のモデル女性と、当時フランス料理店だった当店(モンブラン)に食事に来ました。ビールとベーコンエッグを注文し、コーヒーは何杯ものんだそうです。その時の一コマがこの写真です。食事後に化粧を直す女性と、背景の仕事に打ち込むコックさん(オーナー新田道雄氏)のコントラストにキャパは惹かれたそうです。その後、ロバート・キャパは仏領インドシナ、現在のベトナムに向かいフランスからの独立戦争が激化する報道取材のため、首都ハノイに滞在していましたが、1954年5月25日、ハノイ南東70kmの海岸の町、タイピンの土手で対人地雷に触れ死亡しました。「モンブラン」で撮影したこの写真は日本の遺作となりました。享年40歳でした。」とありました。いや~っ感激ですね。ロバート・キャパの日本最後のスナップと直筆サインまでここで見れるとは。雨の中歩いても得した気分でした。やっぱり熱海って歴史ある町なのですね。(お土産に買った谷崎潤一郎氏お気に入りのモカロールもとても美味しかったですよ。)
熱海市街を流れる川に「糸川」があります。川畔には芸姑見番や歴史を感じる料理屋等もあり、更に遊歩道も整備されていて観光客の人気エリアにもなっています。そんな糸川には早咲きの「あたみ桜」が50本近く植えられています。この「あたみ桜」ですが台湾・沖縄産の「カンヒザクラ」と日本の暖地に自然分布する「ヤマザクラ」が親と言われ開花期が何と1月~2月中旬と日本一早く咲く桜なのです。3月2日に「もう咲き終わってしまったろうな?」との気持ちと「未だ残っていないかな?」の気持ちで糸川周辺を訪ねました。結果は写真の通りほとんどが散って葉桜になっていましたが一部「あっ、桜だ!」と花を認める事が出来ました。これから暖かくなり4月になればソメイヨシノや八重桜などが各地で開花すると思いますが、一足早い「ミニ花見」を体験してきました。