先日のブログでも同じ様な事を書いた記憶があるのですが・・・(だんだん危なくなってきている)。オフィスの在る本郷台地から上野方面を目指すには(1)湯島天神の「男坂・女坂」を下りるルート(2)石川啄木が朝日新聞の校正係として通勤に使っていた「湯島・切通坂」を下るルート(3)東京大学に沿って不忍池に通じる「無縁坂」を下りるルートの3つである。この3つのルートのうち一番歴史的な趣きがあるのが「無縁坂」ルートである。「無縁坂」と聞くとさだまさし氏の名曲である「無縁坂」の舞台だと思う人も多い筈だが、私はどちらかと言うと森鴎外の作品『雁』の主人公・岡田青年の散歩道ということイメージの方が強い。それだけまだ歴史を感じる事の出来る坂道とも思っている。先日この「無縁坂」を下りて上野に行こうと歩いていると、塀の上に3匹のネコを発見した。ネコ達は「何でそんなに急いでいるの?」と言わんばかりに私の事を見つめていた。そう、ここはゆっくりと時間の流れる「無縁坂」なのである。その後は岡田青年になった気分でゆっくりと歩を進めていたが坂の途中、上野の山の向こうに東京スカイツリーを認めて、また気持ち足早になってしまったようだ。
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